"血管にいい食事"で健康長寿を目指す!

血管の健康を保つことは、元気な人生の必要条件。しかし、そのためのケアを実践できているでしょうか。たとえば、血液をサラサラにする食べ物といえば、玉ねぎ、納豆などが知られています。それでは、血管の健康を維持する食べ物とは? 若くしなやかな血管のために、日々摂りたい食材をご紹介します。

「魚、肉、大豆製品」でしなやか血管を作る

血管をつくる材料になるのは、たんぱく質です。材料がなければ、血管を新しく再生できず、どんどんカチカチでボロボロに……。いつもしなやかな血管を保つために、たんぱく質は必須の栄養素です。

たんぱく質を多く含む食材といえば、魚、肉、大豆製品、卵など。なおそれぞれの食材には、たんぱく質以外にも、しなやか血管に役立つ成分や働きがあります。


たとえば、大豆のたんぱく質には、血管をキレイにしてくれる「アディポネクチン」を増やす働きがあります。この物質は、血管にこびりついたゴミを取り除き、傷ついた血管を修復してくれます。

また、魚の油に含まれるEPAは、動脈硬化の原因 となる中性脂肪の血中濃度を下げたり、血液をサラサラにすることで、動脈硬化を防ぎます。

なお、肉はたんぱく質が豊富な一方、摂りすぎると脂質が血流を悪くするので、脂肪の少ない赤身肉がおすすめです。

「緑黄色野菜」で血管の酸化を防止

野菜の中でも意識して摂ってほしいのが「緑黄色野菜」とされる色の濃い野菜です。1日に食べるべき量の目安は120g。たとえば、ほうれん草なら1/2束で100gほどになります。これだけの量を毎日摂れているでしょうか?

野菜のビタミンは「抗酸化作用」で血管を守り、カチカチ血管の修復に役立つ強い味方です。中でも抗酸化力で知られるのが、ビタミンA・C・Eで「ビタミンエース」と呼ばれています。

ビタミンAはCの持続力を高め、ビタミンCはEの抗酸化力を高め、ビタミンEはAの酸化を防ぐという、互いに協力し助け合う関係にあります。

このいずれをも含むのが、かぼちゃ、ブロッコリー、ほうれん草、にんじんといった緑黄色野菜です。

しかし、緑黄色野菜は生では食べづらいとか、硬くて調理しにくいといったことで、食卓での登場回数が少なくなりがち。

しなやか血管にとって強い味方の緑黄色野菜を、日々の食卓に活用してください。また、野菜は緑黄色野菜にかぎらず、それぞれがファイトケミカルという機能性成分を持っています。いろいろな種類の野菜を摂りましょう。



「お茶のカテキン」で血糖値を抑える

血管を老化させる問題のひとつが「糖化」です。糖化については『動脈硬化を引き起こす4大大敵「炎症」「酸化」「糖化」「ストレス」とのつき合い方』でくわしく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

この糖化対策に働くのが、緑茶に多く含まれる成分「カテキン」です。腸での糖の吸収を抑え、血糖値の上昇をゆるやかにするため、高血糖の害から血管を守ります。

強い抗酸化成分もあり、コレステロールを低下させる作用も。

カテキンはお茶の苦み成分で、高い温度で抽出すると溶けだす性質があります。緑茶はぬるめの湯でいれるとまろやかな味になりますが、カテキンを摂取する場合は高めの温度で苦みを抽出するのがおすすめです。

また、糖化を避けるには食物繊維も有効です。食物繊維は、腸の善玉菌を増やす“腸活”食材でもあるので、日々の食事でたくさん摂りましょう。根菜や海藻類、玄米・大麦・雑穀などの穀類に豊富です。

体にいい油「オメガ3」が血管を守る

近年、さまざまな病気の原因になることで話題の「炎症」は、血管にとっても大敵です。炎症については『動脈硬化を引き起こす4大大敵「炎症」「酸化」「糖化」「ストレス」とのつき合い方』をご参照いただきたいのですが、炎症は動脈硬化を進め、血管を硬く、もろくします。

この炎症を撃退する食材が“よい油(不飽和脂肪酸)”です。よい脂質は、血管を覆う膜を作り、炎症物質が血管の中へ侵入するのを防いでくれます。

ただし、よい油と限定したように、油なら何でもいいわけではありません。肉の脂身のように、動物性の常温で固まる油は、摂り過ぎると中性脂肪や悪玉コレステロールを増やしてしまいます。

摂りたいのは、魚の油や植物性の油。中でも「オメガ3系」と呼ばれる油です。

オメガ3系を多く含んでいるのは、魚の油、亜麻仁油、えごま油など。魚は青魚に多く含まれます。なお、熱に弱いので、亜麻仁油、えごま油などは、ドレッシングに使ったり、料理にそのままかけたりするのがおすめです。

一方、サラダ油やマーガリンは植物性ですが、逆に炎症を悪化させる「トランス脂肪酸」などの成分を含んでいるので、摂りすぎには気をつけましょう。



カルシウム食で血管デトックスをサポート

カルシウムが骨や歯の原料になるのはよく知られています。このカルシウムが体内で不足すると、動脈硬化を引き起こす原因になることはご存知でしょうか。

体内でカルシウムが不足すると、骨から血液中にカルシウムが流れ出します。これは体がカルシウムの濃度を一定に保とうとするためです。

この血中に流れ出たカルシウムが血管の内側にくっつき、狭く、硬くしてしまうのです。

しなやか血管を保つには、カルシウムを食事で十分に摂ることが大切です。

また、カルシウムは、それだけでは吸収率や定着率がよくありません。マグネシウムやビタミンDなど、サポートする栄養素を併せて摂ることが大切です。

これらの栄養素がすべて含まれているのが、煮干しやしらすなどの小魚。古来日本人を支えてきた食材を取り入れましょう。

イカやたこが血管の負担を軽減

いかやタコ、貝類に豊富な「タウリン」は、肝臓の解毒力を高める作用でしなやか血管をサポートします。血液中の中性脂肪や悪玉コレステロールを下げたり、血圧を低下させて適正に保ったりする効果が期待できます。

他にもインスリンの分泌を促して血糖値の上昇を抑える、抗酸化作用で体をサビさせないといった働きも。このように、タウリンは生活習慣病から体を守る働き者です。

タウリンは水に溶けやすいので、調理で出た煮汁も摂ってほしいもの。汁物などにするのがおすすめです。また、お刺身などで生のまま食べても、栄養を逃しません。


「ポリアミン」で血管をしなやかに

しなやか血管に働くことがわかっている成分に「ポリアミン」があります。細胞の成長や増殖に欠かせないもので、血管の健康にも深くかかわっています。

しかし、加齢とともに体内のポリアミン濃度が低下すると、細胞機能が破綻して、動脈硬化などのリスクが急激に上昇するのです。

ポリアミンは大豆やきのこに多く含まれますが、ビフィズス菌LKM512を含むヨーグルトで、腸内のポリアミン濃度が上がるという研究結果が報告されています*


このように、血管を健康にする食材は特別なものではなく、スーパーで手軽に買えて、日々の食卓にとり入れられるものです。意識的に摂って、しなやか血管を維持しましょう。また、血管の健康に役立つ栄養素や成分は、ここで紹介したものだけではありません。さまざまな食材をバランスよく摂ること心がけてください。

監修/杉岡充爾(すぎおかじゅうじ)

すぎおかクリニック院長。医学博士。循環器専門医。救急医療に約20年間携わり、生死に関わる治療や約1万人の心臓の治療にあたる。病気の前段階で予防できる医学の重要性を強く感じ、クリニックを開院し、生活習慣の改善を提唱している。『最高の食べ方がわかる! 血管・血流の強化書』(新星出版社)など著書多数。


   
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